住宅

相続の節税対策のアパート経営!これから

最近の話題で、スルガ銀行の投資用不動産に対する不正融資の発覚や、レオパレス21や大和ハウス工業による賃貸物件の不適切工事の表面化など、賃貸用不動産に関する良くない情報がチラホラ目につくようになってきました。

それに伴い日銀からの銀行の投資用不動産向け貸し出しが過熱状態であることの指摘や、その裏で空き家問題があったり今後の少子高齢化による人口減少などのことを考えると、賃貸事業に関しては、慎重に考えなければいけないタイミングに入ったのではないかと思われます。

アパート経営が増えた背景

2015年の相続税の改正

2015年の相続税改正により、相続税の基礎控除額が引き下げられるなどで、相続の課税対象者が増加しました。

そのような状況の中節税対策として、現金の相続税評価額よりも評価額を低く抑えることができるアパートなどの賃貸経営が注目されました。(借り入れをして賃貸事業を行うと更に評価額を下げることにつながります。)

低金利

アパートなどの建築経営を行う際に、賃貸住宅の建築費を融資で賄う人がほとんどです。

日銀のマイナス金利政策により、アパートローンの金利も下がり、融資が受けやすくなりました。

空室率

2017年10月に株式会社野村総合研究所から発表されたレポートによると、東京23区内では11~12%を推移しています。また23区外になると更に数値が延び、14~15%の高い値で推移していて23区内と23区外では大きな差があることがわかります。

ただし、2016年の後半から東京都でも空室が上昇傾向になっています。

また、神奈川県における空室率は2015年から急速に上昇しているのですが、まさにこれは、2015年1月からの相続税の改正が原因によるところと思われます。

需要と供給の関係で、賃貸住宅に住む人が多いから賃貸住宅の建設が増えるているのではなく、節税や低金利が理由で賃貸住宅が増えていることで、必然空室率が上昇していることが想像できます。

その他の主要都市では、大阪市や仙台市でも2003年に空室率が20%程度と高く推移しています。

しかし、それ以降も平成29年時点まで新規のアパートやマンションの建築数は減ることがなく、空室率の問題は改善されることなく、さらに上昇して30%を上回っているのが実情です。

すなわち、現状は需要と供給のバランスでは、完全な供給過多の状況で推移しているのが見て取れるのです。

今後の日本の人口推移

戦後ずっと増え続けていた日本の人口が2015年から減少に転じ始めました。

一方で、世帯数の減少が少ないのは、単身世帯が増えていることが理由ですが、だんだんと世帯数も後追いで減少していくことが予想されます。

2015年度の国勢調査のデータでは、2025年以降で世帯数は横ばいで推移し、2040年には減少していく見通しとなっています。

各都道府県で見ると、東京都では大きく世帯数が増加し、神奈川県、埼玉県の首都圏、または愛知県や福岡県、沖縄県などの地方中核都市を抱える都道府県でも若干増加している状況です。

このことから日本の人口が減少したとしても、主要都市圏では引き続き人口が増えていくことが考えられます。

一方で、それ以外のほとんどの地方で人口が減少していくため、日本全体としては空室率が上昇していくという構造です。

これからの賃貸経営

これまでに空室率や人口減のことをみてきました。それだけを見るとこれからのアパート経営が厳しいことが感じられます。

これからの賃貸経営は、単なる節税対策や単純に金利が低く融資が受けやすいという理由で始めるのではなく、当たり前なのですが、ビジネスとしてちゃんとした戦略をもって始めることが重要になってきたと思います。

例えば、主要都市圏で将来的に占める割合が高くなる単身者世帯をターゲットにしたり、(単身者世帯以外でしたらまた違う戦略があると思います)

今後バブル期に過剰に建てられたアパートの取り壊しの時期を睨んで、その代替需要のアパートを建てるとか、そしてしっかりと入居を惹きつける工夫をするとか。

大事なポイントは、供給過剰なマンションの中から自分のマンションが選ばれる魅力的なサービスや設備を導入したりなどと、入居者の立場で住みたいと思えるものを提供することを意識することが重要です。

それは、賃貸事業も他の事業と同じようにビジネスを行う感覚だと言えます。

そして、これから新しくマンションを購入して賃貸経営を始める場合に、今よりも高い空室率や利回りを想定してそれでも利益がでるか?といった厳しめにシミュレーションをすることも重要だと思います。

以上になりますが、ご相談などお気軽にお問合せいただけましたら幸いです。