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40年ぶり!相続法の改正

2018年7月6日に相続に関する民法等の規定を改正する法律が成立して13日に公布されました。

この改正は、実に40年ぶりの相続法の大きな見直しになります。

「人はいつかは必ずみんな亡くなる」ということを考えると、相続は全ての人に関係があり、全ての人がおさえておきたい知識だと思いますので、大事なポイントをまとめてみました。

改正のポイント

昨今の高齢化の進展とともに、改正前の法律が社会の実情に合わなくなってきたことが今回の改正につながったと思われます。

その全体は

配偶者の居住権について、遺言について、遺産分割について、遺留分について、相続の効力について、相続人以外の者の貢献について、となっております。

配偶者の居住権について

配偶者に優しく!

配偶者が相続開始時に被相続人が所有する建物に住んでいた場合に、終身または一定期間、その建物を無償で使用することができる権利です。

それにより、建物についての権利を「配偶者居住権」と「負担付きの所有権」に分け、遺産分割の際などに、配偶者以外の相続人が「負担付きの所有権」を取得することができるようにしました。

今までは、家に住み続けたい配偶者は家を相続したら残りの現金などはその他の相続人(子、子がいなければ被相続人の兄弟など)と分割されるケースが多く、配偶者は家を受け取ったけれども現金はなくて生活費に困ってしまう!ということも考えられました。

所有権を「配偶者居住権」と「負担付きの所有権」に分けることで配偶者の不動産部分の取得評価を低くして、その分の現金を受け取れるようになり、配偶者のその後の生活の安定を図ることができるようになりました。

遺言について

遺言を手軽に準備できるようになりました。今まで自筆証書遺言は、添付する目録も含め、全文を自書して作成する必要がありました。

その負担を軽減するため、遺言書に添付する相続財産の目録については、パソコンで作成した目録や通帳のコピーなど、自書によらない書面を添付することによって、自筆証書遺言を作成することができるようになります。

又、自筆証書遺言は自宅で保管されることが多かったのですが、法務局で自筆証書による遺言書を保管する制度も創設されることになりました。

その結果、紛失や書き換えられたりするなどの問題を解決することができ、利用がし易くなり、紛争の防止などにもつながるものと思われます。

自宅の贈与が生前贈与の対象外に

20年以上の婚姻期間のある夫婦間で、自宅に対して自宅を贈与された場合に2000万円までは贈与税がかからない制度があります。

改正前では、相続人が生前、配偶者に対して自宅の遺贈または贈与がされた場合には、原則として、遺産分割における計算上、遺産の先渡し(特別受益)がされたものとして取り扱われ、相続の遺産分割の際はその自宅を贈与された配偶者はその分受け取ることができる財産の総額が減らされてました。

今回の改正で、それが遺産の先渡し(特別受益)がされたものとして取り扱う必要がないことになりました。

それにより、被相続人が自分の死後に配偶者が生活に困らないようにとの趣旨で生前贈与した自宅は分けて、配偶者は結果的により多くの相続財産を得ることができるようになり、その後の生活を安定させることができるようになりました。

遺産分割前の預貯金の一部払い戻しが可能に

相続発生後に改正前では、生活費や葬儀費用の支払そして相続債務の弁済など、お金が必要になった場合でも、遺産分割が終了するまでは被相続人の預貯金の払戻しができないという問題がありました。

そこで、このような相続人の資金需要に対応することができるよう、被相続人の預貯金債券のうちの一定額までは、家庭裁判所の判断を経ずに金融機関の払戻しができるようになりました。

相続人以外の貢献について

相続人でない親族(例えば子の嫁など)が被相続人の介護や看病をするケースがあると思いますが、改正前には、遺産の分配の中に入ることが出来なかったのですが、今回の改正で、このような不公平を解消することができます。

今回の改正では、相続人ではない親族も、無償で被相続人の介護や看病に貢献し、被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした場合には、相続人に対し、金銭の請求をすることができるようになりました。

最後に

施行日は、2019年1月、2019年7月、2020年4月と3段階に分かれており特に2019年7月は重要な変更が多く控えています。

全体を通して感じられたことは、今回の改正のポイントは、今後の少子高齢化、人生100年の長生きの時代において、配偶者の生活の安定への寄与遺言書作成の必然化が中心にあるよう感じられました。

以上になりますが、ご不明な点やご相談などございましたらお気軽にお問合せください。