中古住宅購入。「失敗しない3つのポイント」

住宅

一生涯で一番高い買い物と言われている住宅購入では、失敗をしたくないものです。特に中古住宅を購入する場合には、その思いが強くなると思います。そこで、今回は中古住宅を購入するときのポイントを3つに絞ってお伝えします。

売主は個人?業者?

中古住宅を購入する時に多くの方が一番不安に思うことは、買った後にその建物や設備に不具合が出たらどうしよう!といった点でしょう。

当然新築住宅の時も同じ思いを持つと思いますが、時が経ち新築よりも傷んでいる中古住宅の購入時にはその思いが強くなると思います。

そこで、不動産の売買契約では、民法で「契約不適合責任」として規定されている売主の責任条項を設けた取引が行われています。

その「契約不適合責任」とは、売主が契約内容とは異なるものを売却したときには買主に対して責任を負うというもので、その責任を持つ不具合の範囲は「構造耐力上の主要な部分」と「雨水の侵入を防ぐ部分」(特約を付ければ加えて給排水管部分も)としていて、その不具合の責任を売主が持つというものです。

ただ、民法ではその規定は任意規定になっていて個人が売主の不動産を買う場合には、その「契約不適合責任」を無くして契約をすることができます。

実務上は引渡し後3か月間の売主の責任期間を設けて契約することが多いですが、建築年がとても古い中古住宅等の場合には、「契約不適合責任」を負わない!という内容の契約になっていることもあります。

一方で売主が業者(不動産屋さん)の場合には、「契約不適合責任」の条項は必須で、新築住宅の場合には引渡後10年間、中古住宅の場合には引渡後2年間、の契約内容で進めなければいけないことになっています。

それでは、「売主が業者の物件を買おう」と考えると思いますが、売りに出されている中古住宅は個人が売主の物件の方が多く存在します。

そこで、個人が売主の中古住宅を買う場合には、上記の「契約不適合責任」があるのか、その他に何か保証してもらえるものがあるのかをチェックすることが重要です。

その保証のチェック方法については、中古住宅購入時 3つの保障をチェック にまとめましたので、参考にしてください。

ホームインスペクション

ホームインスペクションとは、住宅の設計・施工に詳しい専門家が住宅の調査を行い、欠陥の有無や補修すべき箇所、その時期などを客観的に診断するもので、住宅診断とか建物検査などともいわれています。

費用は最低ラインの5万円程度から、詳細なチェックのオプション項目までを加えて10万円から13万円程度がかかるイメージです。

前の見出しの中にあった、売主の「契約不適合責任」があれば「ホームインスペクション」は必要ないのか?という質問が出てきそうですが、先に結論を述べると、売主の契約不適合責任とは関係なく、特に中古住宅を購入するときは、ホームインスペクションは必須レベルでおすすめします。

その理由は、売主の契約不適合責任の建物の不具合の範囲が限られているところにあります。

不動産の売買契約書上の契約不適合責任の範囲は、建物の構造耐力上主要な部分と雨漏りの侵入を防ぐ部分(特約を付ければ給排水管の部分まで)と抑えるべき最低限にしていることが多く、それ以外にも実際に住んで生活するには例えば、断熱材や結露、床下換気状況、外溝の状況やカビ有無、床下換気口の状態など確認しておきたい箇所は多岐に渡ります。

建物の検査をしておきたい範囲は広く、ある意味不動産売買契約における売主の契約不適合責任の不具合の範囲は、その最低限の範囲であるといえます。

だから最低限を売主の契約不適合責任でおさえて、それ以外に確認しておきたいところは別途「ホームインスペクション」で検査をすることが必要になります。

最近の中古住宅は、売主負担でホームインスペクションをした状態で売りに出されていることも多くなってきました。

中古住宅も商品なので、ホームインスペクションの保障がついている物件は魅力的に映りますよね。

でもそれで安心してしまうのは危険です。

というのも、売主側で行っているホームインスペクションは、売主が押さえなければいけない「契約不適合責任」の範囲までしか建物検査をしていない場合が多いからです。

そのため、売主側が行っているホームインスペクション範囲を確認して、その状況によっては別途自分(買主側)でもホームインスペクションを行うくらいでいることが将来の安心につながります。

資産価値

エリアを重視していて新築住宅が売りに出されていなくて、必然中古住宅しか買えないということもあると思いますが、中古住宅を買う動機で一番多いのは、新築よりも安く買えるということにあると思います。

しかし本質的なメリットは、中古戸建の購入は資産価値の高い物件を買うということ、と言える点にあります。

というのは、建物は年々価値が減価していきますが土地は市場相場で資産価値が変動することがあっても、年数で減価することがないからです。

しかも、日本の建物の経過年による建物価値の減価の期間の考え方は早くて、木造住宅の場合には22年で価値が0になるという計算方法になっています。

新築に比べ中古の住宅はそれだけ、減価しない土地の割合が大きいということになります。

例えば、築20年前後で建物の価格が0に近く、所有者の住み方と管理が良い、そして土地が広い中古戸建は、資産価値が高い物件ということになります。

しかし立地については、増々今後良し悪しの2極化になると言われており、その選別の目は重要になります。

最後に

日本以外の先進国では、新築住宅よりも中古住宅の流通が中心を占めています。

アメリカでは、1950年代くらいから高度成長が長く続いて、当時は今の日本のように誰もが新築ばかり求め、1970年代くらいまでは新築住宅の流通が主流を占めていました。

それが、1970年代あたりから住宅総量管理を行い当時の新築が中古市場に出てきて、ホームインスペクションが始まったりして中古市場が充実してきて、今では8割が中古住宅、新築は2割とういう状況になっています。

現在の日本では、新築を1棟建てると、空き家が1軒増えるという状況になってきました。

遅ればせながら、日本でも政府がようやく中古住宅流通の方にかじを切り始めました。

現に少しづつ、中古流通の優遇制度を政府は出し始めています。

その意味では、資産価値のある中古住宅を買って、新築との差額分の資産を上手く運用する。

そして、住宅購入後は住宅資産が維持できる住み方と管理を行い、将来はその不動産を住み替えたり、売ったり貸したりして、住宅資産を老後資産のために活用していく発想ができる人とそうでない人の老後資産の差は大きく開いていくでしょう。

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