家の住み替えで気になるローンと税金の話

住宅

住宅の購入の契約をするだけでも大変です。そこに同時期にもう1つ不動産を売る契約が加わるのですから、家の住み替えが簡単なことではないのが想像できると思います。今回は住み替えをする時に押さえておくべき住宅ローンと税金の話を中心にそのポイントをお伝えしていきます。

購入流れと売却の流れ

家の購入の流れ

  1. 物件探し
  2. 物件見学
  3. 不動産売買契約
  4. 住宅ローン契約
  5. 決済引渡し 

物件探しから決済引渡しまでの期間は通常半年くらいと言われていますが、1の物件探しと2の物件見学のところどのくらいかかるかがポイントになります。

探しているエリアに物件がたくさんある場合には、短い期間で欲しい物件がみつかるでしょう。

一方で、人気があったり物件が少ないエリアの場合には、欲しい物件がみつかるのに時間がかかるかもしれません。

又、これから購入しようとしている物件が土地を購入してから注文住宅を建てるという場合には、注文住宅の工期分長くかかるイメージです。

家の売却の流れ

  1. 不動産の査定
  2. 媒介契約
  3. 売却活動
  4. 売買契約
  5. 引渡し

売却の場合も通常1の不動産の査定から5の引渡しまで6か月程度かかるといわれておりますが、3の売却活動期間(買い手がつく期間)がこの期間を左右します。

そのため、売却しようとしてるエリアの不動産の流通の状況をつかんでおくことが重要になります。

住み替えの流れで一番の理想は、購入の決済と売却の決済が同じ日になることです。

購入の方の決済が先に進み、なかなか売却が進まない場合には、その間購入する方の住宅ローンと売却する方の維持費、住宅ローンがあったら住宅ローンの負担が2重で続いてしまうことになります。

先に売却が進み、購入したい物件がなかなか見つからない場合には、みつかるまで仮住まいの賃料が発生することになります。

先に買うか?先に売るか?

それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらが自分にあっているのかを考えることが重要です。

先に買う場合のメリットは、納得いくまで購入先をじっくり探せるのと転居の手間は1回で済むところです。デメリットは、売る方がいついくらで売れるかわからないため資金計画が立てづらいのと、売却する物件に住宅ローンが残っていたら、2重ローンの期間ができてしまう点で、そのためあせって売却の条件を妥協してしまう可能性もあるかもしれません。

先に売る場合のメリットは、先ほどの逆で資金計画が立てやすいのと、いつまでに売らなければいけないといったあせりもなく余裕を持って売却を進められる点です。デメリットは売れた後次の家が見つかるまでの間の仮住まいをするための賃料と引っ越しの手間が1回多くかかるといった点でしょうか。又急ぐあまり購入の希望条件を妥協してしまう可能性もあるかもしれません。

上記を俯瞰してみて、購入資金が十分あったり、現在の住まいが比較的良い条件の不動産である場合には、先に買う方が向いているかもしれません。

逆に購入資金が十分でない場合には、資金計画上、先に購入したくてもできない場合もあります。

住宅ローンと資金計画

売却する方の物件に住宅ローンの残債が残っている場合は、住み替えのハードルが上がります。

銀行から借りることができる金額は、通常住宅ローンの年返済額が年収の30%~35%前後までくらいの金融機関が多いですが、売却する方の家の残債の返済額に更に新たに購入する家の借り入れ予定額の返済額を加えても上記の割合に収まる程の高収入人はそんなに多くないでしょう。

更に、売却する方の物件の残債が売却額より多い場合(オーバーローン)には、その差額の現金を準備しないと物件の売却自体ができません。

又、住み替えには買う方と売る方のコストを考えた資金計画が必要になります。

購入する方の手付金(物件価格の5%前後が多い)と買う方と売る方の諸費用(買う方は物件価格の6%前後、売る方は物件価格の3%前後)の自己資金ができて、更に手元に緊急予備資金(基本生活費の6か月~1年以上)残せる貯蓄があることが理想です

税金について

家を売却する場合、利益が出たら、その利益に対して譲渡所得税と住民税がかかります。

購入してから5年内の売却の場合、短期譲渡になり39.63%の税率 5年超の場合は長期譲渡になり20.315%の税率がかかります。(復興特別所得税含む)

しかし、居住用財産には税金をなるべく発生させないための措置が取られいて、以下の特例があります。

3000万円控除(住宅ローン控除と併用不可) 
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm

マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例です。

所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3305.htm

マイホーム(居住用財産)を売って、一定の要件に当てはまるときは、長期譲渡所得の税額を通常の場合よりも低い税率で計算する軽減税率の特例です。

買換え特例
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3355.htm

マイホーム(居住用財産)を売って、代わりのマイホームに買い換えたときは、一定の要件のもと、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができます(譲渡益が非課税となるわけではありません。)。

譲渡損失の損益通算と繰越控除
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3390.htm

住宅ローンのあるマイホームを住宅ローンの残高を下回る価額で売却して損失(譲渡損失)が生じたときは、一定の要件を満たすものに限り、その譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができます。さらに損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、譲渡の年の翌年以後3年内に繰り越して控除(繰越控除)することができます。
(これらの特例は、新たなマイホーム(買換資産)を取得しない場合であっても適用することができます。)

ここで気になることは、住宅ローン控除との併用です。

上記の特例の中で住宅ローン控除と併用できるのは、最後の譲渡損失の損益通算と繰越控除のみになるので、上記の特例は、譲渡益に対する税負担と、住宅ローン控除を利用した場合の税額控除の効果を較検討して選択をすることとがポイントになります。


お困りの場合は、一人で悩まずぜひ専門家にお問い合わせください。

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