住宅購入前の不安:物件の不安を解消するために

住宅

今日は。 FPの塩川です。

今回は、住宅購入におけるもう1つの不安

『この物件は大丈夫か?』について見ていきたいと思います。

物件に対する不安は大きく3つに分類できます。

『機能の不安』

『環境の不安』

『相場の不安』

これらを、順に確認していきましょう。

1、『機能の不安』

「物件自体に問題はないか。欠陥はないか。」

誰しも気になるところでしょう。

この不安については、

新築戸建、中古戸建、新築マンション、中古マンション

によって、確認しなければいけないところが変わってきます。

①新築戸建

これから土地を購入して、その上に住宅を建てるという方は、

特にその土地の特性を確認しておく必要があります。

  • 境界がしっかり決まっているか
  • 敷地内に入る越境物があるかどうか
  • セットバックが必要であれば、そのポイントがしっかり決まっているか、また、セットバック部分が価格に入ったままでないか
  • 網戸などの付属品は入っているか
  • 目の前に広い空き地や駐車場はないか
  • 周辺で事件などなかったか
  • ゴミ置場はどこか

など

これらを全て抑えれば大丈夫というわけではありませんが、

デメリットになりそうな箇所があれば、それを事前に知り、

理解した上で契約に臨むべきでしょう。

気づいたところは、納得いくまでどんどん質問していく姿勢でいきましょう。

②中古戸建

既に建物が建っている物件である場合、土地の注意の他に

建物にも注意をしておく必要があります。

・建物全体にゆがみはないか

・瑕疵担保責任の特約の確認

・平成12年4月1日以降の物件であれば、住宅性能評価書があるか

・フラット35を使いたい場合、可能かどうか

など

新築戸建の場合には、10年間の保証がありますが、中古のばあいには、

瑕疵担保責任の特約について注意する必要があります。

また、フラット35を借りるためには、物件の構造・仕様が、住宅金融支援機構の

基準に適合している事が必要になります。

③新築マンション

耐震強度偽装事件以降、新築マンションに関しては、

規制が厳しくなっており、物件に関しては、

特段以前よりも心配する箇所が少なくなってきています。

・管理状態・長期修繕計画は大丈夫か

・総戸数が極端に少なくないか

・セキュリティーは希望通りのものか

・登記簿面積で50㎡以上あるか

・モデルルームの内装は標準装備かオプションか

など

登記簿面積で50㎡以上ないと、

住宅借入金特別控除(住宅ローン控除)

が使えませんので注意しましょう。

また、内覧会で、ひと度サインしてしまうと、

その後にキズや汚れ、不具合を発見しても、売主の責任を

問えない可能性が高いことに注意しましょう。

④中古マンション

今までの注意点に加えて、

・大規模修繕の有無、計画は大丈夫か

・管理規約上の注意点はないか(改装の制限、ペットの可否など)

・不動産の権利関係は複雑になっていないか

・既存不適格に該当してしまっていないか

など

〇共通の注意点

共通している注意点としては、駅からの所要時間です。

販売図面などでは、「信号の待ち時間」「踏切の待ち時間」

「歩道橋や坂野上り下りにかかる時間」

などは考慮しなくて良いこととされており、

さらに、実際歩いていなくても、不動産業界では、

「80mを1分」として時間を表示して良いことになっています。

したがって、表示されている時間よりも長くかかるのが一般的ですので、

しっかり駅から歩いてみる必要がありますね。

それにより、周りの環境を肌で感じることにもつながります。

また、物件の良いところは必ずチラシやパンフレットに書いてあります。

書いていないところを見つけ出せるよう目を凝らしましょう。

これらの事項だけに注意をしておけば良い訳ではないということは、

しっかり理解しておきましょう。

最終的には、不動産業者から渡される

「重要事項説明書」に書かれている内容を

しっかり読み解く必要があります。

2、『環境の不安』

〇嫌悪施設に注意

今住んでいる地域「について、もうみなさんはコンビニからスーパー、

電気屋さんに本屋さんと、どこになにがあるかというのはご存知でしょう。

これからずっと住むその地域で、このような施設が家からその位置に

あるのかというのは重要です。

そういった施設が近いことは望ましいですが、

半面「嫌悪施設」が気に入った物件に近い場合、

その影響の有無はさらに重要です。

騒音発生工場、踏切、ばい煙発生施設、ごみ焼却場、発電所

廃棄物処理場、下水処理場、軍事基地、刑務所、食肉処理施設

火葬場 など

これらの施設が、自宅となるところから近くにあるのかどうか、

あるとしたらどの位置にあるのか、というのは、

早い段階で知っておきたいですね。

また、ご近所となるひとたちがどういう方々なのか

少なくとも、向こう3軒と両隣については、周辺の聞き込み

という形などで、知っておく必要があるでしょう。

3、『相場の不安』

①不動産の相場感

その物件の相場は他と比べて割高ではないですか?

不動産取引は、「この物件は、機能はいいし、駅からも近いから価格を

上乗せして購入します」などと、

今売り出している金額以上で売買されることはなく、

一般的には「指値」を入れて、値引きを打診することがよくあります。

とすると、今出している価格は指値されることを織り込んでいて、

多少高めで出されているかもしれません。

そうなっていないかどうかを判断するには、

「インターネットで周辺事例を検索」するか、

「不動産業者へ行って似たような物件情報を出してもらい

相場を確認してみる」のがいいでしょう。

ただ、不動産業者へ行った場合、相場を教えてくれるだけなら

いいのですが、その後に不必要な営業攻勢が始まるかもしれない点には

注意をしておく必要があるでしょう。

そういった意味では、最初に目にする数物件は、

「自分の相場感を養うためにある」と考えてもいいでしょう。

②冷静な判断が大事

逆に、そう考えなければ、営業マンの言葉や、

本当なのかわからない「お得情報」に一喜一憂してしまい、

冷静な判断を基にした住宅購入ができなくなってしまいます。

例えば、最近目にしたチラシには、

「当初1年間は住宅ローンの利息を補助いたします!」

という文言もありました。

「それはすごい!」と思うなかれ。

仮に、利息部分が月々5万円として1年で60万円。

「60万円の値引き」が形を変えただけで、実は、

販売価格に乗っているだけかもしれません。

また、路上にあるステ看板や電柱貼りもその1つで、

よく、「未公開物件 03-〇〇〇〇-△△△△」という看板を

みかけることがあると思います。

そもそも電柱に貼っている時点で、

「不特定多数の人に公開しているよね」

と、突っ込みが入ってしまいますが、連絡をしてみると、

「それはもう終わってしまったんですが、別の物件がありますよ」

と言われ、名前と電話番号を聞いてきます。

実は、未公開物件というのはダミーで、

業者が売りたい本命の不動産を紹介してくる場合があります。

(そもそもステ看板は、許可をとっていなければ、屋外広告物条例違反となります)

さらに、インターネットサイトの物件情報ですら、信頼できるとは限りません。

以前では、上場大手不動産会社がダミー情報を掲載していた事実で、

行政指導を受けていた例もあるくらいです。

連絡をもらうために様々な方法を考えています。

お得情報的なものに飛びつくことは、後の代償が高くつく場合があります。

冷静な判断で1つ1つ進めていき、「完璧な住宅をみつける!」

というより、まずは「不透明物件をつかまない!」ようにしましょう。

そして、物件の長所をみつけるよりも、物件の短所をみつけましょう。

物件の長所が後から分かったら、「トクをした!」気分になりますが、

物件の短所が後から分かったら「ソンをした!」気分になるどころか

「それが分かってたら買わなかった」となってしまうかもしれません。

それが結果的に、あなたの『ライフプラン』の安全性

保つことにもつながるのです。

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