相続対策というと、やれ生命保険やアパート建築、生前贈与等といった色んな情報が飛び交っています。しかし、それらはあくまでも手段の1つに過ぎず、今回は手段を考える前に必ずやらなければいけない大事なことをお伝えしたいと思います。
現状分析
現状分析とは、現状において相続税がどのくらいかかるのかを明確にすることです。
そのためには、自身が万が一のときに相続する人が誰で、今どんな資産をどのくらい保有しているかを把握する必要があります。
特に不動産資産や株式等の評価の金額を出すには専門家の力が必要になるかもしれません。
かかる相続税額が見えてきたら、その後に色々と想像を膨らませることができるようになります。
それがとても大事なんですね。
例えば、相続税が5000万円かかるのに現金資産が3000万円しかなかったら、その3000万円のうちに、この後の自分の生活資金も必要になるしどうしよう?とか。
そんなところから、次の目的や思いにつなげることができます。
目的・思いを持つ
相続対策においては、何にも増して、この「目的・思い」を明確化することが一番大事なところとなります。
現状分析から始まる色んな考えから、家族への思いや愛情まで考えが膨らみ、自分のライフプランの集大成を考えることにつながります。
「ライフプラン」言い換えると理想の人生設計を持って、資金計画をたてることの重要性が認識され始めていますが、その「ライフプラン」の集大成として自分が無くなった後のことまでを考えプランの中に入れて「ライフプラン」は完成します。
その完成した「ライフプラン」から考えて、現時点の自分を見つめるとこの後の視界が開けより充実した幸せ感を持ったセカンドライフを過ごすことができるようになります。
でもそれは、難しく考えすぎないで、この後自身がどんなことをして過ごしていきたいか、自分が万が一の後の財産を家族にどう分けてあげたいか、不動産資産を残したいか?といった単純なことから考えてみることから始めると良いでしょう。
目標・着地点の明確化
そして、その目的や思いを実現するための具体的な目標と着地点を明確していきます。
今ある先祖から引き継いだ不動産を残したいのか、一部売却して減らしても良いのか。
不動産資産は誰に引き継がせるのか、それ以外の家族にはなにを引き継がせるか。
そしてその目標・着地点とのバランスの中で相続税をどう節税できるか、支払わなければいけない相続税をどう支払うか。
そしてその中でも一番大事で共通な目標・着地点は、相続後に家族みんなが豊かで仲良く幸せにに過ごせること!だと思います。
といったことを組み立てます。
その目標・着地点は、相続税等の関係から100%思い通りにならない場合の方が多いでしょう。
そこで、全体の計画から目標・着地点の優先順位を考えて、優先順位の低い方は妥協も考えます。
その目標・着地点の中には、自分がこのあとのセカンドライフをどう過ごしたかいか、自分のためのお金のことも考えることも大事です。
現状と着地点のギャップを埋める一番効率の良い手段を考える
今までのことを見てくると、現状と理想(着地点)との間のギャップが見えてきます。
例えば、先祖から引き継いだ不動産はそのまま残したいけど、相続税を支払うには半分不動産を売らないと支払えないとか、不動産以外の資産を引き継ぐ方は不満に思ってしまい争続になってしまうのではないか、など
そこで、出てくる、又は出てくるであろうギャップを全て挙げていきます。
そして、ここで初めてそのギャップを埋める一番効率の良い手段を優先順位を考えて組み立てるのです。
始めに思いがあって、そこからどんな着地点が一番重要で、優先順位の低い着地点は何かということが最初にあって初めて、取るべきベストな手段が見えてきます。
これは、相続対策だけでなく全てのことに言えますね。
企業が事業を行うにしても、個人の理想の人生やその住宅購入や資産運用などにおいても、最初に理想の目的や思いがあって、そこから現状と理想のギャップを埋めていく手段を考える!ということが重要なのは共通です。
特に怖いことは、目的地や着地点を見ずに下手な手段を選択して、例えば目的が南の方角に100キロのところにあるのに北の方角に300キロも進んでしまうというような事例が良くあるということです。
最後に
相続対策は順番が大事です。
以下に順番をまとめます。
- 現状分析
- 目的や思いの確認(遺産分割方針など)
- 目標と着地点の確認(資産の評価の引き下げなど)
- 生前贈与 (自身のセカンドライフ資金や分割方針までを考えてから
この順番で進めることが重要で、その過程の中には専門家の力を借りなければならない場面も出てくるでしょう。
不動産の評価引き下げなどは不動産屋さん、生命保険の対策では生命保険屋さん、遺言や登記については司法書士、納税については税理士等、相続対策には多種多様の専門家に頼らなければならない場面が出てきますが、一番頼るべきは全体を見渡してアドバイスできる専門家です。
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