それぞれの方が、それぞれの人生設計を十人十色で持っていると思います。
そのイメージは、ただ漠然と持っている方がほとんどだと思いますが
目標を決めて細かいところまで設定されている方もいると思います。
人生の3大資金といわれている支出項目があります。
それは、①子供への教育資金 ②住宅費 ③セカンドライフ費用
の3つです。
なんと平均的なサラリーマンの方で、生涯賃金の約半分近くをこの
3大資金が占めると言われております。
この3大資金と『ライフプラン』について見ていきます。
教育資金と『ライフプラン』
『ライフプラン』とは、希望のライフデザインを人生全体で俯瞰してみた時の
資金面のシミュレーションのその作戦のことを言います。
教育資金には、学校内の教育費だけで子供1人あたり
平均で1,500万円前後かかると言われています。
2人なら1,500万円×2人=3,000万円
そこに、学校外の習い事や塾代と予備校代などが加わると
とても大きな金額なります。
『ライフプラン』を作ると大抵、子供の教育費が最大化する時期
(高校や大学に通う時期)の数年間は、収入と支出の年間収支が
マイナスになる方が多くなります。
又、最近よく見られる傾向ですが、晩婚化のため子供の教育資金の負担が
終わると同時に定年退職を迎え、そのため年間収支のマイナスが途切れる
ことなく、『セカンドライフに突入してしまう』、という方も多くなってきました。
公的年金だけでは足りなくなったと言われて久しい老後生活資金ですが、
その足りない部分を補う資産形成を、どのタイミングでどのようにできるのかを
しっかり見極められることが重要になってきています。
『ライフプラン』をつくることにより、
何年後に年間収支のマイナスゾーンがくるかのか?
又、資産形成できる収支の時期はいつからいつまでか?
そして、教育資金を棄損しないようにどのタイミングでどのような準備ができるのか?
そのマイナスゾーンの直前にどのくらいの金融資産がないといけないのか?
必要な資金の資産形成を確実に実現するためには、どのくらいのリターンで
どのような運用をすればよいか?
などから、適格な方針が見えてくるようになります。
住宅購入と『ライフプラン』
住宅費と子供の教育費は、重なる傾向にあります。
というのも、子供が出来たことや子供の教育環境を考えることが
住宅購入の動機になる傾向が多いからです。
そこでの『ライフプラン』をつくることにより見えてくるポイントは
住宅ローンの繰り上げ返済のペースと教育資金とのバランスになります。
住宅を購入年代は30代が飛びぬけて多く、続いて40代と続きます。
例えば38歳の方が期間35年の住宅ローンを組む場合には、
普通に返していたら完済するには、73歳までかかってしまうことになります。
そこで就労期間中に返すために、期間短縮型の繰り上げ返済を考えることが
一般的な考え方となっています。
繰り上げ返済の利息削減効果は大きく、その効果のシミュレーションを
見ると、普通の方はどんどん実行したくなります。
そこで注意したいのは、繰り上げ返済をしすぎて
後々に必要となる重要な資金使途に対応することができなくなることです。
その代表は、子供への教育資金使途になりでしょう。
せっかく金利の低い住宅ローンで資金確保ができていたのに、
繰り上げ返済をすることにより将来の教育資金が足りなくなり、
金利の高い教育ローンを借りる、ということになったら本末転倒です。
又、住宅ローンの繰り上げ返済は、その実行するタイミングにより
効果の違いがとても大きくなります。
残債が少なくなる後半で実行するよりも、残債の多い前半で実行した方が
利息削減効果は大きくなります。
そのため、後半の時期に退職金で住宅ローンの残債を一括返済するよりは、
住宅ローンの残債は残しておいて、リスクを取らないレベルでも
資産運用をした方が、資産形成効果が大きくなります。
一方で、住宅ローンを借りた当初は住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)
により、借入金利によっては繰り上げ返済をせずに残債を残しておいた方が
メリットを享受できる場合があります。
又、日本以外の先進国では、スタンダードな考え方になっていますが、
優遇されている、金利の低い住宅ローンの繰り上げ返済などはせずに、
資産運用をすることにより、後々の金融資産の差がとても大きくなる
ことも考えられます。
『ライフプラン』をつくることにより、そういった様々なポイントが
浮き上がり、どのタイミングでどういう選択をするのがベストなのか?
といった作戦が見えてくるようになるのです。
セカンドライフ資金と『ライフプラン』
『人生100年時代』という言葉がこれからの人生設計のキーワード
になっているくらい『セカンドライフ資金』は3大資金のなかでも
これからの時代の重要なテーマです。
ひと昔前は、『セカンドライフ』のための資産形成時期は
“独身~結婚するまでの間”と“子供の手が離れて退職するまでの間”
の2つの時期がありました。
今は晩婚化により、資産形成のできる時期が“独身から結婚するまでの間”
だけといったように、子供の手が離れたらすぐに『セカンドライフ』に突入する方が
増えてきました。
一方では、長生きの時代になり『セカンドライフ』を想定する期間が長くなりました。
そのため、定年後も働くことが必然となり、合わせて最低でも『インフレ』に
負けない資産運用をしていくことは、避けられない状況となっています。
『ライフプラン』をつくることにより、
老後生活資金は足りなくならないか?
足りなくなる場合には、どんな対策を取ることができるのか?
『ライフプラン』の収支を改善する対策には、3つの方法があります。
①収入を上げる
②支出を下げる
③お金を働かす(資産運用)
その改善の順番はできれば、
①→③→② といきたいところです。
一方で、やみくもに③のお金を働かすのみを考え、
運用利回り年10%を目指すなどとしてしまったら危険です。
『ライフプラン』をつくることにより、選択可能な収入を上げる金額を見据え
支出の出口のタイミングに見合った運用計画をたて、最後に優先順位の低い
支出を削減することにより、理想のライフプランを作り上げることができるのです。
まとめ
『ライフプラン』をつくることにより、目の前に行動の選択枝が出てきた際に
迷わずどちらを選択するのが良いのかが見えてきます。
その選択の積み重ねが、後々にとても大きな差となって現れます。
『ライフプラン』をつくることにより、人生の目標を確認することができ
そしてその実現のための方法が明確になります。
後は、それを実行するのみです。
実はその実行ということも大事なのですが
その点については、また別の機会でお伝えしたいと思います。
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