新築住宅よりも、中古住宅を購入するときは、建物に対する不安が大きいと思うんですよね。特に中古住宅の取引で多い個人間の売買では、買った家が翌年に雨漏りをしたり、壁にひびが入ってしまったりしたら誰に直してもらえばよいのだろう?などと考えてしまうと思います。そこで中古住宅を購入する際には確認してほしい、中古住宅の保証!3つのポイントについてまとめましたので、購入時のチェックポイントにして見てください。
品確法の瑕疵担保の保証
品確法とは、正式には住宅の品質確保促進法と言い、品質のよい住宅を手に入れられるようにすると共に建築主を法的に守ることを目的として、2004年に施行された法律です。
その中に「10年の瑕疵担保期間」という項目があり、「瑕疵」である住宅の不具合や欠陥を、施工会社は、建築後10年間、無償補修や賠償責任を負わなくてはならなくなりました。保証の対象は、住宅の基礎や柱、床、屋根などの基本構造部分と雨漏りなどに関した部位です。
注意したいポイントは、この保証は、所有者が変わった場合には自動では次の所有者に引き継がれないという点にあります。
そのため築10年以内の中古住宅には限られますが、中古住宅を購入する場合には、当初その住宅を施工した会社に、品確法の「10年の瑕疵担保保証」を次の所有者に引き継いで保証してもらえるか、売主を通して確認してもらうことが重要です。
施工会社の規定ごとに対応は変わりますが、自動で引き継いでくれる会社、所有者変更契約書などにかかる一定の変更手続き費用を支払うことで引き継げる会社、全く引き継げない会社に分かれますので、その確認は重要です。
全く引き継いでくれないような会社施工の中古戸建は、要検討かもしれませんね。
施工会社の保証
新築時の施工会社の「保証」や「アフターサービス」が、次の所有者(中古住宅を購入する人)に引き継がれるかどうかも確認項目です。
これも引き継げるかどうかは、施工会社やハウスメーカーの規定によります。
一般的には一部の大手施工会社を除いて、ルール上引き継がれないケースは多いです。
宅建業法上の規定では、売主が宅地建物取引業者である場合、新築住宅の場合には10年間、中古住宅の場合には2年間の瑕疵担保責任の保証を売主が付けることが義務付けられていますが、売主が個人である個人間売買で中古住宅を購入する場合にはそのような義務付けがなく、一般的に3か月前後の瑕疵担保責任を契約条件にして売買されることが一般的です。
中古住宅の売買は個人間売買が多く、特に個人間売買の中古住宅を購入する場合には、新築当時の施工会社の「保証」や「アフターサービス」が引き継げるかも確認してみることも重要です。
大手ハウスメーカーの長期保証などは、大抵次の所有者に引き継げるケースが多いので、その点では大手ハウスメーカー施工の中古住宅は安心かもしれません。
その分、価格には反映されているかもしれませんが(^^)/
中古住宅瑕疵担保責任保険の保証
中古住宅の売買は売主が個人の個人間売買が多いことは既にお伝えしましたが、売主が個人の場合には瑕疵担保責任期間が引き渡し後3か月前後、宅地建物取引業者が売主になる中古住宅の場合でも、宅建業法の定められた最低期間である2年間に限定されることが多いため、中古住宅の購入者にとって瑕疵への対応が不安材料になり、なかなか中古住宅が流通しないという側面があったんですね。
中古住宅の良い点は又別の機会に書きたいと思いますが、新築住宅よりも中古住宅の方が良い面もたくさんあるにも関わらず、上記のような不安から新築住宅を選ばれる方が多いかったのでしょう。
そこで、平成22年4月から「既存住宅売買瑕疵保険」という制度の取り扱いが始まりました。これは任意保険の位置づけで、この保険に入っていれば、購入した中古住宅に一定の瑕疵があったときにその補修費用がカバーされる仕組みとなっています。
その内容は少しややこしいのですが、個人間売買の場合、保証を行う「検査機関」が保険へ加入する契約形態になります。
検査と保証を依頼された検査機関が対象となる住宅の検査を実施して、その検査機関から申し込みを受けた保険法人が更に引渡し前に現場検査を行った上で保険を引き受けることになっています。
検査機関と保険法人による2段階の検査を受けることで、買主に対する保証がされるのです。
この検査機関に依頼するのは、売主側でも買主側でもできることになっています。
買主としては、売主の側でこのような「既存住宅売買瑕疵保険」に入ってくれるような中古物件だったら安心ということになります。
買主側で売主に検査機関の検査が入ることを承諾してもらい、その保険を付けることを進める場合もあります。
最後に
中古住宅を購入する不安は、上記のような保証の確認をすることで一定の不安を取り除くことはできると思いますし、保証を確認することは大事なポイントです。
ただ、いざ住宅の不具合が発生して保証で直そうと思っても、その時に当初の施工会社が倒産していたら困りますよね。
今後の人口減少時代を想定して、難易度が上がるかもしれませんが、将来に渡って継続できる会社が施工している中古住宅を見つける!という目を持つこともこれからは重要だと思います。
20年後には、住宅をつくる会社の数が半分になっていることだってあり得ますよ!
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