住宅ローンを選択する際に、住宅ローンに付いている団体信用生命保険
の特約のレパートリーが増えています。
少し前なら団体信用生命保険とその特約は各金融機関ごとにそんなに違いが
ありませんでしたので、その違いが住宅ローンを検討する際の
ポイントになることはありませんでした。
住宅ローンを検討するための各項目
今まで住宅ローンを検討する場合には、以下3つの要素が検討の材料になっていました。
【金利の種類】
・固定金利ローン
・変動金利ローン
・固定金利特約付変動金利ローン
→当初の一定期間が固定金利になりその期間の後は変動金利になるタイプ
固定金利がかつてない低い水準になっていますが、一方変動金利も店頭金利2.475%から大幅値引きとなっていてます。
『ライフプラン』上キャッシュフローに余裕のある方は変動向きそうでない方は固定向きという見方もできます。
【返済方法の種類】
・元利均等返済
→返済額がずっと同じ金額のタイプ(一般的にはこちらが多い)
・元金均等返済
→元金への返済が均等になり、当初返済額が一番多く
そこから返済額が低減していくタイプ
利息削減効果は、元金均等返済保方式を選択した方がありますが
元金均等返済方式を選択できる方は、住宅ローンを借りた当初に
キャッシュフローに余裕がある方になります。
【コスト】
・融資手数料
・保証料
金利が低く融資事務手数料は高く、逆に金利は多少高いが
融資事務手数料は低いといった傾向がありますが、
繰り上げ返済を積極的にされる方は、後者を選んだ方が
良い利息を削減えきる可能性が高くなります。
現在では、上記に加え『団体信用生命保険の特約』がバラエティーに富み
『団体信用生命保険』も住宅ローンを検討する場合の、重要な要素となってきて
います。
団体信用生命保険
団体信用生命保険とは、住宅ローン専用の生命保険のことです。
団体信用生命保険に加入していれば、住宅ローンの債務者が死亡したときや
高度障害状態になったときでも、住宅ローンの残金の分の保険金が金融機関
に支払われ、住宅ローンを清算することができます。
住宅ローンを組む時は、基本的には団体信用生命保険に入ることが
条件になっています。
フラット35の団体信用生命保険
一般的な銀行ローンと違い、
フラット35の団体信用生命保険は任意加入という形で、
「入らなくてもいいけど、入るなら別で契約する(保険料が別でかかる)」
ものでしたが、現在は「基本的に団信(新機構団信)がついた住宅ローン(原則加入)」となって、保険料は金利に上乗せされています。
団信に加入しなくても申し込みはできて、借入金利の-0.2%が適用される仕組みになっています
フラット35の団体信用生命保険には、「新機構団信」
「新3大疾病付機構団信(借入金利+0.24%)」の2つがあります。
さらに、新機構団信には「デュエット(借入金利+0.18%)」というものもあり、
夫婦で連帯債務の場合に2人で加入できます。
新機構団信は「死亡」「身体障害保障」。
新3大疾病付機構団信は、「死亡」「身体障害保障」「3大疾病」「介護保障」
もつきます。
新機構団信制度に加入しない(できない)場合の金利は、新機構団信付きフラット35の借入金利-0.2%となります。
銀行ローンの団体信用生命保険
その他各銀行が、競うように様々な団体信用生命保険の特約を出してきています。
おおよそ以下にまとめると
●ガン保障特約
●3大疾病保障特約
●7大疾病保障特約
●8大疾病保障特約
●11大疾病保障特約
●全疾病就業不能保障特約
といったように各金融機関によって、団体信用生命保険の
特約の幅が様々になってきています。
全般的に、普通に生命保険会社で同程度の保障の保険に入るよりも
団体信用生命保険の特約に入る方が、保険料が安くなる傾向にあります。
そのため『必要保保障ニーズ』があるのなら、団体信用生命保険
の特約は検討の中に入ると思います。
その比較のポイントとしては、
①必要保障ニーズを考える。
②全額免除になる条件(保障内容)を見比べる
がんは確定診断、脳卒中・心筋梗塞は入院が住宅ローン支払い免除の場合や
所定の状態が60日以上継続することが条件だったり、ガン以外は
12か月超働けない状況が続くことが条件だったり保障内容
例えば、同じ三大疾病特約でも金融機関ごとに違いがあります。
③保険料を見比べる
特約の保険料は、金利に+0.3%や+0.2%などかかる
ものや既に金利に含まれているものなどが各金融機関ごとに
様々です。金利に含まれていてお得だからといって
全額免除になる条件が相当厳しいなんてこともあります。
既に金利の中に含まれていて保険料的にはお得でも、
保障される条件のハードルが高いなら、
保障範囲の広い、金利+0.2%かかる住宅ローン団信の方が
よいかもしれません。
今入っている保険を見直す
住宅ローンを組むタイミングは、その住宅ローンに団体信用生命保険が
付いてくるという理由で、今入っている生命保険を見直す絶好のタイミング
となります。
今までは、死亡保障の部分のみの見直しになることが多かったのですが
これだけ団体信用生命保険の特約の内容が充実してきている状況では、
医療保険やがん保険等も含めた保険全体の見直しをすることができます。
更に複雑になってしまいますが、そこに資産形成のスケジュールも加味して
資産形成の度合いによって保険から貯蓄へと複合的なリスクマネジメントを
することで、人生100年時代に向けた合理的で筋肉質な資産形成を
していくことができます。
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