これから家を購入される方にとって、住宅ローンがいくらまで借りられるのか?
又借りられたとしても、その金額を将来ずっと返していけるのか?
といったところは気になるところだと思います。
今日は、その点についてまとめたいと思います。
まず、住宅ローンはいくらまで借りられるのか?についてですが
銀行は、大きく分けて2つの審査基準をもとに貸し出しを決めています。
1つが、【融資比率】
融資比率はひとことで言うと、『物件価格に対する借入の割合』です。
例えば、物件価格4000万円で自己資金200万円入れて借入が3800万円
の場合には、3800万円÷4000万円=95%になります。
現在は日銀の金融緩和政策(市場にお金が出回っているため)
から、金融機関のお金を貸し出したい意向も働き
少しその審査の水準が甘くなっているのですが
この数字が
100%以上 / ×
95%まで / 〇~△
90%まで / 〇
80%まで / ◎
と、おおよそなっております。
この×から◎は、銀行も立場から見た貸し出す先の安心度のようにとらえて
いただけたら分かりやすいと思います。
銀行が住宅ローンを貸し出す金利はみんな同じかと
いうとそうではなく、銀行からみて◎のように安心して貸し出せる
先の場合には、金利を低く設定してくれたりします。
そのため、良く言われるところですが、
自己資金の理想は(諸費用を除いて)2割ですが
実際は2割も自己資金を用意している方は少ないですが
できたら、目指したいところです。
もう一つの【返済比率】とは、
『税込み年収に対する年間返済割合』のことです、
例えば、
平均的な世帯のイメージで(手取り年収500万円 扶養家族 妻 子1人)
仮にこの方が3800万円を変動金利で期間35年
金利を0.775%で借りたとした場合、
年間返済額は、123.99万円となります。
注意:変動金利は変動していきますので、その点の
考察も必要ですが
年間返済額123.99万円÷税込年収500万円×100
=24.79%となりこれが、
実際の『税込み年収に対する年間返済割合』
になります。
さて、審査基準は借りられる方の年収にもよりますが
おおよその目安として、(各機関ごとの基準があります)
返済比率35%前後までと言われております。
その前提で今回のケースを見てみますと
返済比率が24.79%で借りられる!ということになりますが
実をいうと、これは借りられないケースになります。
その理由は、各金融機関ごとの審査金利(審査上設定する金利)
といものがありまして
(少し前の金融機関の審査金利は4%前後だったのですが、
日銀の金融緩和政策からくる低金利情勢で現在は3.5%前後のようです)
これも、金融機関ごとに異なります。
例えば審査金利3.5%で計算し直すと、 年間返済額が
188.46万円になり、
年間返済額188.46万円÷税込年収500万円×100
=37.69%で返済比率が35%を上回っているため
貸し出しが厳しいということになります。
それでは、その審査基準で返済比率35%以内の借入額を見てみると
今回の年収500万円の平均的な世帯のケースでは
借りられる金額は3500万円前後以内になります。
それでは、このケースの世帯の方が
実際に3500万円を借りて返していけるのか?
変動金利は将来の金利が読めませんので
固定金利で借りた場合で見ていきます。
〇固定金利 金利1.7%
※投稿時点でのフラット35の金利を参考にしました。
(フラット35は、全国300以上の金融機関が住宅金融支援機構
と提携して扱う「全期間固定型住宅ローン」です)
と上記条件で借りた場合。
年間返済額は、132.75万円になります。
年収500万円(配偶者あり、お子様1人)の場合の
年間手取り額(社会保険料全般を引いた残りの額)は、
おおよそ390万円前後になると思います。
その390万円からこの132.75万円を引くと
残りは257.25万円
これを12か月で割って1か月分にすると
月額21.43万円
この中から
住宅ローン以外の支出をあてていくイメージになります。
住宅ローン返済以外の支出項目を挙げると
・基本生活費(衣食住の教育費などを除く通常の生活費)
・子供費(保育料、学費、塾やお稽古事、部活動日など)
・住宅費(固定資産税、火災保険料、メンテナンスやリフォーム費用など)
・生命保険料
・車、バイク
・その他耐久財(家具・家電)
・旅行や帰省など
・その他ローン
・趣味
・その他夢
・他
この支出項目にあたる金額を、上記21.43万円/月額
で当てていくイメージになります。
これを見ると
借りられる金額は実際に返せる金額よりも
多い傾向にあるのがわかると思います。
住宅ローンの借入額を決定する際は
実際に返していける金額を見極めて
我が家のライフプラン(理想の人生設計をベースにした
必要な資金面のシミュレーションとその作戦)
が重要になってきます。
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