金額の低い中古住宅を購入して、自分仕様のリノベーションを施して自分好みの家に住もうというニーズが多くなっています。
新築住宅を購入するよりも、中古住宅を自分好みのリノベーションをした場合の方が総額で安く手に入れられる場合にはそれを希望する方が多いのも頷けますが、今までは自己資金(貯蓄)の少ない方にはハードルの高い選択肢でした。
ただここ数年、リノベ一体型住宅ローンなどが出てきて自己資金が少ない方でも、中古住宅をリノベーションして手に入れる!という選択がし易くなりました。
その点について見ていきたいと思います。
リノベーション一体型住宅ローン
中古住宅を買ってリノベーションをする場合、従来は、住宅購入費用は住宅ローンで、リフォーム費用はリフォームローンで、というのが一般的でした。
そうしたなかで、住宅金融支援機構が2015年4月より「フラット35(リフォーム一体型)」の取り扱いを開始しました。これにより、中古住宅の購入資金とリフォーム資金を合わせて、フラット35の条件で借りられるようになりました。
また、もとはフラット35の記述基準を満たしていなかった中古住宅であっても、リフォーム工事により性能が向上し、フラット35の技術基準を満たすようになれば適用が可能になるなど一石二鳥みたいなメリットも得られるようになりました。
それにより、多くの銀行でもリフォーム費用もまとめて借入できる一体型住宅ローンが用意され始めました。今までは、住宅ローンとリフォームローン2本で組んでいたのが、一体型ローンができて、審査や手続きが半分になり、コスト面でもお得な状況になりました。
また、住宅金融支援機構は2016年10月に、「フラット35リノベ(性能向上リフォーム推進モデル事業)」の取り扱いを開始しました。
内容は、リフォーム工事によって、「省エネルギー性」「耐震性」「バリアフリー性」「耐久性・可変性」の4つの項目のうちいずれか1つ以上の項目について定められた技術基準を満たす性能に向上させることで、当初一定期間の金利を引き下げることができるようになりました。
リノベーションも住宅ローン減税の対象に
住宅ローンを組んでマイホームを購入した方は、毎年の所得税・住民税の一部から、ローン残債(限度あり)の1%が控除される、「住宅ローン控除」というとてもお得な優遇税制があります。
その「住宅ローン減税」にリフォーム費用も反映されるようになりました。
住宅ローンと一体で組むことができるようになり、そういったメリットもでてくるようになりました。
注意点
住宅ローンでリフォーム費用も借入するためには、リフォームにいくらかかるかが、融資を申し込む時点で分かっていなくてはなりません。
審査にあたっては、通常の住宅ローン申し込みのための書類提出の他に、リフォーム工事費用の見積書を提出することが必要になります。
そのポイントは、見積書を「最大でいくらかかるか」ということを見込んだ金額で作成することです。審査で一度通った融資額は、減額することはできますが、増額することはできません。増額するためにが新たに審査を受け直さなけれならず、そのため審査に通らなくて契約がまとまらないなどということになったら大変なことになります。
リノベーションを予定して中古住宅を購入する場合には、特に引き合いの多い物件の場合には、段取りが悪かったらその物件が他の方に買われてしまうなどのようなことにもなってしまいます。
そのため、物件探しとリノベーションプランの作成を同時並行で考えていくことが重要になってきます。
一体型ローンの中でも、金利や借り入れ条件など商品によって違いがありますので、その点の事前の情報収集も必要になります。
これから住宅購入を考えていて、その点についてご不安でご相談などございましたら、お気軽にお問合せください。
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